人生の転機とかブレイクスルーとか【ア・ルース・ボーイ 佐伯一麦】

a loose fish という慣用句がどういう意味なのか知っている人はいるだろうか。

loose=ルーズということでなんとなくひらめく人もいるかもしれませんが、「だらしないやつ」という意味なのだそうです。

ア・ルース・フィッシュという言葉を聞いて、とある小説を思い浮かぶ人はとても気があうかもしれないので、更新していないツイッターで話しかけてみてほしいです。

ア・ルース・ボーイ 佐伯一麦

私はこの小説がとても好きです。高校生になった少年が思いもかけずに父親になってしまう話。そこで英語教師に言われた言葉が確か「ア・ルース・フィッシュ」

私がこの小説を知ったのは確かNHKでドラマ化されていたのを偶然最後の一コマを見たということが理由だったりするのですが、それが非常に印象的だったわけです。

「僕はあした十八になる」

NHKでドラマ化された時のタイトルが「僕はあした十八になる」というタイトルでした。

主演は前田亜希さん。とwikipediaに書かれています。

しかし私にとっての主演は「伊藤淳史」さんでした。ラストシーンで上記の「ルースフィッシュ」伊藤淳史が、お父さん役の「岸部一徳」さんと土手で話をしているシーンが非常に印象的で感情に訴えるものがありました。

この「ア・ルース・ボーイ」、NHKの「僕はあした十八になる」は前田亜希さんと伊藤惇史さん扮する高校生二人がとある事情で鬱積した、明るいとは言えない高校生活を送るストーリーが主軸になっています。

アキラは十七歳。勉強することの意味を見いだせず進学校を中退。
同い年の幹は未婚の母となり、恥だと言われ家から出してもらえない。
そんな二人が赤ん坊を連れ、生まれ故郷の仙台から上京、アパート暮らしを始める。
生活するためにアキラは電気工事店に就職し懸命に働くのだが…。

決して明るいストーリーとは言えないのですが、私が20代の頃とても鮮明に記憶に残っているドラマであったことは間違いないです。

岸部一徳さんの言葉

ラストシーンで「伊藤淳史」さんと「岸辺一徳」さんが交わす言葉ですが、とても印象的です」

「お父さんが、お母さんと一緒になったのは妥協したからだ」

こんなセリフを「岸辺一徳」さんが「伊藤淳史」さんに投げかけます。

それは高校生にして父親になってしまい、自分を見失っている息子にかけた慰め、道場の言葉なのかもしれません。

もしくは人生そんなもんだよ気にするなという達観したセリフ。

どんな含みがあったのかはドラマの方も小説の方も詳細な記憶がなくなってしまった今なので、なんとも言えませんが、この言葉を20代の頃はよく覚えていたのを記憶しています。

好きな小説で上位に常に君臨していた小説で会ったことも間違いがないです。

環境が変わって考え方が変わってしまった

上記の「岸部一徳」さんが息子に投げかけた言葉。居酒屋などで友人と話す際、少しお酒も回ってきたときに好きな小説、好きな映画を紹介し会うときには必ずと言っていいほど出てきた言葉でした。

しかしながら、今日いつもの友人とお酒を飲みながら、ふと思い出した「ア・ルース・ボーイ」大体どういったストーリーだかは覚えているのですが、肝心の言葉が出てきません。

あのドラマを見てから15年近くも経っており、多感な時期に見て印象的だった言葉も今や全く思い出せません。

考え方や感じ方が変わること

昔の考えや感じ方が変わってしまったことについては正直に残念に思います。

記憶や思い出というのが素直に思い出せなくなり、良かったこと悪かったこと、全てがなかったことになってしまいます。空白になってしまいました。

ただそれについては良いことか悪いことかと問われれば悪いことではないと今は思っています。

 

周りの人から見て今の自分がどんな風に見えるのかはわかりません。

しかし、自分としては今の生活も悪くはないと思っています。

思い描いていた理想の人生を歩んでいるとは決して言いきれない、これは本当にそう思います。

ただ、いまの自分や環境も少なからず気に入っているのです。

「岸部一徳」さんが息子に諭すように言ったセリフはなんだったのでしょうか。確かいまの自分も全てを納得しているわけではない。といった趣旨の発言だったと思います。

まさにいまの自分がそうであるとともに、それ自体も悪くないと思っています。

 

あの当時のNHKは非常に面白いドラマをやっていたようにも記憶しています。本作「僕はあした十八になる」とか「時をかける少女」など。

「時かけ」はツタヤに行けば見られるかもしれませんが、またこういった心に残る映像作品など放送してくれると嬉しいです。

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